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介護保険報酬改定で在宅介護・施設介護はどう変わる?

介護保険報酬改定で在宅介護・施設介護はどう変わる?
介護保険報酬改定で在宅介護・施設介護はどう変わる?

介護保険報酬改定で在宅介護・施設介護はどう変わる?

2024年介護保険報酬改定の概要が明らかにされつつあります。
中でも訪問介護の基本報酬におけるマイナス改定は、大きな話題となっております。

政府は、処遇改善加算のプラス改定と合わせるとプラスになる事もあるとコメントを残されていますが、実際にはその対象となるのは全体の1割程度の事業所に過ぎず、今後、在宅介護分野での就労希望者はより一層減り、需要に対して供給が追い付かない事態が加速すると考えられます。

一方で、同一建物内に併設、隣接する訪問介護事業所からサービスを提供する場合の併設事業所減算にも新たに「同一敷地・隣接建物へ居住する人へのサービス提供率90%以上の場合12%を減算する」というルールが設置され、集住者の介護サービス独占に釘を刺す形となりました。

大きな要因としては訪問介護のマイナス改定と同様に財源の問題で、膨れ上がるコストに対し、どのように対処するかが課題となっている事があげられます。
これは家計と置き換えるのと同じで、収入をあげるか、節約を施すしか方法はなく、国民からの税金や保険料徴収額を引き上げて原資をつくるか、コストを削減するしかありません。
現在、日経平均株価は史上最高値を更新し、まるで好況のようにみえますが、世帯当たりの所得が上がっているわけではなく、就労者の犠牲の上で成り立っている好況感であり、健全な経済成長とはいえない実態が背景として伺え、そうした中で、国民からの徴収による増収が難しいという大局観が伺えます。

こうした大局観の中で行われる介護保険報酬改定における「訪問介護マイナス改定」と「併設事業所減算拡充」ですが、結果的には、集住者優位は変わらないであろうと考えられます。
なぜなら、併設している事業所でも人手不足で、売上の機会損失は生まれているからです。
そうした中で同じ1時間の中で提供する訪問介護サービスでも以下のA・Bの2つでどちらが、より多くの売り上げを計上し、かつ、社会貢献度が高いかを考えた時、どちらを選択すればよいか、一目瞭然だからです。
A:併設事業所減算を受けない1時間の使い方
  移動20分⇒サービス提供20分(100%)⇒移動20分
    =合計100%・サービス提供1名のみ

B:併設事業所減算(-12%)を受ける1時間の使い方
  サービス提供20分(88%)⇒サービス提供20分(88%)⇒サービス提供20分(88%)
    =合計264%・サービス提供3名

いかがでしょうか?
どう考えても隣のお部屋に行けばよいだけのBを選択するのです。入居を進めた企業側も「介護サービスの安定供給」を謳って入居を勧めた以上、「減算になるので、他へ行かせて頂きます。」とは、自分たちを信じて入居してくれた利用者に対しては、口が裂けても言えないでしょう。

今回の改定では、集住者優位に釘を刺しつつも、上記のようになる事はわかっていて財源不足の帳尻をどこで合わせようかという時に、先々絵に描いた餅になるであろう1on1サービスの訪問介護を切り始めたと解釈していいでしょう。
オンライン診療等が可能な医療と異なり、介護は人が提供する上で対面が必須のサービス特性を持ち、その源泉となる人口が減少している中では、マクロ視点で見た時にある種必然的に起こっているとも言えます。

「在宅推進!」という方針を掲げてきた手前、大きな声では言えないが、今回の報酬改定は、暗に集住してください。さもなくば介護サービスは提供されなくなります。というメッセージを我々に投げかけており、それらをしっかりと自身の頭で噛み砕き、変化に対して対応をしていく事が求められています。

これと似たような動きが過去幾度も起こっています。
最近ですとNISA(小規模投資非課税制度)の拡充があげられます。
このNISAに関しては、開設当初どのようなメッセージが投げられていたのかというとこの先、年金あてにしていただく事できないので、ご自身で準備しといてくださいね。というメッセージが投げられていたと考えられます。それをキャッチするための金融リテラシーが国民側になく、その広がりは限定的でしたが、それが徐々に拡充を広げていき、現在の新NISA制度へ改定され、ついには無期限となりました。
今では、小中学生にも職業教育のみならず、金融リテラシーを高める教育が導入されつつあります。

これと同様に、マクロ視点で人口動態を見た時にジリ貧となる1on1サービスで非効率なサービス提供となる訪問介護においては逆に縮小を続けることになるであろうと考えられます。
一方、介護技能実習生をはじめとする外国人の登用が比較的安易な、施設サービスにおいては、安定供給がされ易い構図となり、コンパクトシティ構想と同じように消去法による「在宅サービス⇒施設サービス」への移行が進んでいくと考えられます。

多くの人が「自分だけは大丈夫」と考えすらしない、これから起こる「在宅介護難民化の大波」は、すべての人に与えられた「生まれて、死ぬ」という平等の延長にある課題です。
どんなに文句を言ったところで、これは自分たちがしてきた選択の延長にあります。
その責任をしっかりと受け止め、今からできる備えを進めていきましょう。
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